前回の記事でも述べておりますが、明治期に政府が各地に建てた旧塩務局(後に専売局に統合)のレンガ倉庫は、現在(自分の知る限り)全国五ヶ所で現存しています。
幸いな事に自分はそれらを全て訪ねる事ができましたが、これを機に改めてそれらを訪ねた順に並べてみました。
▲兵庫県赤穂市
▲岡山県玉野市
▲大分県姫島村
▲福岡県福津市
▲山口県周防大島町
どうでしょう・・・皆同じに見えますか?
明らかにひとつだけ二階建てで他と違っていますが、意匠的にはどれも似通って見えますね。
もちろん国が一斉に建てた建物ですから似通ってて当然ですが、恐らく共通の規格に基づいて建てられたのは間違いないでしょう。
もしかしたら同じ設計図を用いたのかもしれません。
旧塩務局(旧専売局)の施設はかつて全国で50ヶ所以上あり、それぞれに同様の倉庫が建てられた言われています。
残念ながらその殆どは失われてしまった訳ですが、恐らく皆これらと同じデザインであった事は想像に難くありません。
失われたと言えば・・・実はつい数年前まで現存する倉庫がもうひとつありました。
そのうち行こうと思いつつ何となく後回しにしていたのですが、結局訪ねる事がないままあの日を迎えてしまいました。
そう、場所は宮城県石巻市。
東日本大震災による津波被害で失われてしまったのであります。
幸いにも在りし日の姿を僅かながらネット上で垣間見る事ができますが、確かにそこにも同じデザインの倉庫があった事がはっきりと見てとれます⇒ここ。
因みに倉庫自体は地震にも津波にも耐えて残りましたが、現在その場所をGoogleマップのストリートビューで見てみると上の様になっています。
悲しいくらいものの見事な更地ですね。
元々ここにあった旧塩務局(旧専売局)の施設は個人で所有されていたそうですが、情報によると震災前から当人は維持管理にかなり苦慮されていたと伝えられています。
そこへあの被害ですから、こうなるのも自然の流れかもしれません。
これに関して自分はどうこう言える立場ではありませんが、こうなる前に訪ねておかなかった事が今となっては悔やまれてなりません。
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